学長挨拶
沖縄県は日本の最南端に位置し、台湾と本州の間に点在する40の島々からなるアジア太平洋に開かれた島です。沖縄県立看護大学の使命は、小さい離島やへき地であっても、そこに住む人々が最善の健康を増進、維持、回復できるように自立した看護職者を育成することです。
本学は沖縄県で、看護学の学士号、修士号、博士号が取得できる唯一の看護系単科大学です。1999年に看護学部、2004年に大学院(博士前期課程、博士後期課程)、ならびに2008年に別科助産専攻を設立し、看護師、保健師、助産師の人材育成に取り組んでいます。特に、本学では「保健看護」の概念のもとに、全学生が看護師?保健師の免許を同時に取得できるカリキュラムが用意されています。人生100年時代、多様で複雑な社会の変化に柔軟に対応できるように、しなやかな看護職者の育成を目指しています。
看護学部では、看護のジェネラリスト、大学院では高度実践看護のスペシャリストとして、小児看護、がん看護、老人看護、精神看護の4つの専門看護師の育成、ならびに島嶼保健看護に特化した全国初の日本看護系大学協議会認定のナース?プラクティショナーの育成、さらに教育者、管理職者、研究者を育成するための教育を行っています。
本学は沖縄本島にありますが、宮古島、石垣島、久米島の3つの離島にサテライト教室を設けており、離島に在住し働きながら大学院の授業を遠隔で受講することができます。これまで、離島のサテライト教室で学び、大学院を修了した看護職者の方々が、島嶼保健看護のリーダーとして活躍しています。
アジア太平洋に開かれた本学の特徴として、ハワイ大学や台北医学大学との学生間の交流が盛んに行われています。グローバルな視点とローカルな視点が融合した「グローカル」な人材を育成するために、沖縄から世界へ発信できる、地域性豊かな沖縄文化を基盤にした、教育、研究、社会貢献を目指して努力を重ねています。
沖縄県立看護大学は、創立25年の大学で、2022年4月に公立大学法人になりました。地域特性を生かした魅力的な大学の一つとして、県民の期待に応えるべく、人々の健康と福祉に貢献できる、質の高い看護職者の人材育成を目指していきます。
沖縄県立看護大学学長 神里 みどり